天然記念物や巨木等の紹介

樹木への旅 10月 古里附のイヌグス

東京都西多摩郡奥多摩町

イヌグスの正式名はタブノキです。 ある植物に似ているからというわけで、その植物の名の前にイヌをつけて呼ぶことがあります。

東京都指定天然記念物の“古里附のイヌグス”は、JR青梅線古里駅から青梅街道を奥多摩方面に1kmほど進んだ、春日神社の小さな祠の横にあります。 街道沿いに生育するのですが、注意していないと奥多摩の山々に紛れて、見逃してしまいます。

「私が子供のころには、この木にムササビが棲みついていて、よく家にやってきたよ」と、近くに住む老人は言います。 下から見ると、確かに小動物が生活しやすい空洞がありました。 タブノキは7月頃に実をつける木なので、餌場としても格好の場所だったことでしょう。

このイヌグスは2本が合体したような幹を持っています。 かつて23mの樹高を誇っていましたが、数十年前に街道側の幹の樹勢が衰え、幹が朽ちて今にも落ちんばかりの状態になってしまいました。 平成元年、この老木「古里附のイヌグス」は樹勢回復手術を受けました。 しかし近年再び街道側の幹が急激に衰退し、残念なことに街道側の幹は枯死してしまいました。 今生き残る樹体の大きさは以前の半分となりましたが、残る強靭な幹は新たな成長をスタートさせて、新しい樹形を作りはじめています。 ・・・再び人や小動物との新しい関係を作り始めることでしょう。

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緑の総合病院 院長 神庭正則

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