天然記念物や巨木等の紹介

樹木への旅 8月 タコケヤキと呼ばれる木 羽村橋のケヤキ

東京都羽村市

羽村市内の奥多摩街道を行くと、玉川上水の取水関のそばに1本のケヤキの大木があります。 東京都指定天然記念物の“羽村橋のケヤキ”です。崖の肩にあり、斜面は根で覆われ、あたかもタコが崖を覆っているかのようです。 “タコケヤキ”とも呼ばれる由縁です。 このケヤキと奥多摩街道の間には泉があり、今でも水をたたえています。 かつて、江戸時代の旅人が、このケヤキの元に腰をおろし、一休みしている姿が目に浮かびます。

このタコケヤキの根が崖を覆っている部分に、開口部が現れ始めたのは、30年程前のことです。 かなり昔から根元が空洞化し続けてきたのでしょう。人が3人程入れる空間が出来上がっていました。 枝葉は旺盛で、夏には程良い日陰を作ります。 当時、硬質ウレタンによる樹木の外科手術が日本に導入されたばかりで、あえてこの“タコケヤキ”に施されました。 空洞内の腐朽部を削り、殺菌剤を塗った後に、空洞壁面に硬質ウレタンを吹き付け、大きな開口部もウレタンで塞いだのです。

その後も、樹勢は良好で、枝葉が空を覆う程です。 しかし近年、大風で枝折れが頻発するようになったこと、そして根元に大きな空洞があることから、平成25年には樹冠を小さくする大規模な剪定が行われました。 新しい樹形となって、これからさらに何百年も生き続けることでしょう。

img_natural_tabi08_01img_natural_tabi08_02img_natural_tabi08_03

緑の総合病院 院長 神庭正則

このページの先頭に戻る