天然記念物や巨木等の紹介

樹木への旅 4月 般若院のシダレザクラ

茨城県龍ヶ崎市

日本神話の中に「木の花咲くや姫」が登場します。 天照大神が稲穂の神であるニニギノ命を降臨させた際、そのニニギノ命が求婚した美しい乙女が、木の花咲くや姫です。

木の花咲くや姫は、木の花、すなわち桜の花の神格化で、この両神の結婚は、桜の花と稲との密接な関係を表現しています。 古事記では、桜花は、「御穀(ごこく)の先触れ」と説明しています。 桜の花の量を知ることが、その年の稲のでき具合を知る手立てであったとのこと。 つまり、花見はもともと秋の実りを占う場であったようです。

お伽噺の「花咲か爺さん」では、臼の灰をまいて桜の花を咲かせるという場面があります。 一番の見せ場です。昔から日本人と桜の間には深い関係があったようです。

写真の桜は、茨城県指定天然記念物の“般若院のシダレザクラ”です。 この老木は本堂の裏庭にあり、古く太い大枝を水平に長く伸ばしています。 近年、その枝垂れの量が減ってきているとのことですが、満開の季節には、この老木1本だけで春を十分に謳歌できます。 以前は、この桜の木の下に池があって、花の時期には舟遊びが行われていたといいます。 今でも、この見事な老桜の前に立つと王朝絵巻の世界に引き込まれるようです。

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緑の総合病院 院長 神庭正則

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